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深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
Ge(111)-c28表面上にSn原子を原子層蒸着させると、低温において33構造を示す。Sn原子はサイトに吸着することが知られているが、その垂直位置についてはまだよくわかっていない。また、この表面は、220K以上では構造に相転移するが、その詳細も明らかでない。本研究では、反射高速陽電子回折を用いて、ロッキング曲線を測定し、動力学的回折理論に基づく強度解析から、33構造におけるSn原子の配置と220Kにおける相転移について調べた。110Kにおけるロッキング曲線を測定し、解析を行った結果、最表面は単位格子内の3つのSn原子のうち、1つが他の2つより高い1アップ2ダウンモデルから構成されていることがわかった。また、293Kにおけるロッキング曲線を測定したところ、110Kの曲線とほとんど同一であることがわかった。この結果から、表面原子の平衡位置が変化しない秩序・無秩序相転移であることがわかった。さらに、全反射領域におけるRHEPD強度を測定したところ、220K以下で強度異常が観測された。この変化は、表面フォノンのソフト化を考慮に入れることにより説明できる。
林 和彦; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
no journal, ,
融解は基本的な相転移現象であるにもかかわらず、結晶成長などの凝固現象に比べると、その研究は十分には行われていない。融解現象のメカニズムを解明するためには、その前駆過程を原子レベルで調べる必要がある。表面はバルクの温度よりも低い温度で融解し、融解の始まるサイトとして考えられている。この表面融解は、表面熱振動と密接な関係があるので、表面原子の熱振動と構造変化を調べることで、融解現象の前駆過程を調べることが可能であると考えられる。そこで本研究では、反射高速陽電子回折(RHEPD)と反射高速電子回折(RHEED)を用いて、表面融解における表面熱振動変化と構造変化を調べた。最表面構造に敏感なRHEPDと表面から数層までの情報を含んだRHEEDを組合せることで、最表面原子から表面数層までの融解現象について調べることが可能である。